2025年1月30日木曜日

炎と立つ/キャンドル 報告2


今回は行為する前に少しお話をしました。内容はおよそ前の投稿の内容です。 また、初めてみていただく方も多かった為、「このパフォーマンスのことを私は”行為”と呼んでいます。ダンスや舞踏を観ようとされますと少々物足りないかもしれません。もし退屈された時はこの炎の揺らぎを、見えない垂直線を見てみてください」とお話ししました。






キャンドルは手作りしました。しっかり床を踏んでいるような形で、縦横の方向性を持ったかっちりとした形がよく四角錐になりました。


同じ形の小さいキャンドルをカードと一緒に配りました。2023年にタイのパフォーマンスフェスで一緒だった香港のパフォーマーChan Mei Tungのアイディアを拝借?!?

”光”という意味の点字が押されたカードに小さな蝋燭が貼り付けてありました。
Hong Kongのことを忘れないで!というメッセージを感じます。

私の方はさほど深い意味はなく、光のお裾分けです。強いて言えば、あなたの側でもどこでも平等に、見えない垂直線は立ちます。光や暖かさと共に。


大変でしたが、手作りするのは好きです。


会場となったFEELSEEさん↓↓  とても素敵なショップです。
https://feelseen.jp/blogs/news/ginza-tachitasa-dec24
https://feelseen.jp/
広報の方とやり取りをさせていただき、とても勉強になりました。ご協力ありがとうございました。

2025年1月26日日曜日

炎と立つ/キャンドル 報告


 20024年12月7日にパフォーマンス「炎と立つ/キャンドル」を開催しました。


場所は東京の東銀座にありますFEELSEEN
というショップのギャラリースペースでした。

私のアクティングスペースをとると、見に来ていただける人数は20名ほど、という環境でしたので、広くはお知らせができず、一度ライヴで見てみたい!と言ってくださっていた方々をメインにお声がけをしていました。

「炎と立つ」はずっとやってみたいと思っていて、イメージとしてはキャンプファイヤーくらいの大きな炎との対峙でしたが、今回は室内でしたので、小さな炎、キャンドルを4つ使いました。横幅は2m、奥行きは自分の肩幅の寸法としました。当初は2m角の正方形を作るようにキャンドルを置く予定でしたが、最近なぜだか絵画への想いが大変熱く恋しくなってきており、(Barnett Newman と対峙シリーズのせいかな?)奥行きをぐっと狭くして炎に囲まれる空間をより平面的にしました。絵画空間に1本の線が立ち上がっていくように、、?

火ってなんで上へ上へ上がっていこうとするのかな?燃え上がる、っていうけど、燃え下がる、というのは聞いたことがない。蝋燭に火をつけてそれを傾けてみても芯は一緒に傾くものの火の部分は変わらず垂直方向へ上がろうとするまま。その衝動はどこから来るのか。

何を根拠に燃え上がっているのか?炎の始まりと思われる芯の周辺を見るとそこは透明。燃料(蝋)が気体になって・・と理科の先生に聞けば教えてくれると思うけど、見た目としてはとても不思議。私は足の裏でしっかりと、固く動かない床や地面を踏んで直立を試みているのに。

そして、その姿が見えなくなる先端が一番熱い!?! なんてカッコいい!!

これらが炎と立ちたいと思った理由です。


4隅に4本の垂直線が揺らぎながら立つ




2024年8月28日水曜日

美術館へのオファー

Barnett Newman と対峙するシリーズ、美術館へはどのようにオファーしているのですか?

と、よく聞かれます。
Barnett Newmanは全体的に作品数が少なく特に大きな作品はパブリック美術館に所蔵されていることが多いです。これまでパフォーマンスをしてきた美術館はアムステルダム、バーゼルは共に市立美術館。ワシントンDC のナショナルギャラリーはその名の通り国立の美術館です。

これまでの活動がわかる資料、展覧会で配っていたリーフレット、DVD、写真など一式。
そして、なぜそこの美術館でパフォーマンスをしたいのか?所蔵のNewman作品とその美術館に対する熱い思いを書いたお手紙。このふたつを郵送しています。反応を見ながらメールをしたりデータにした資料を再度メールで送ったりしています。
いたってシンプルでしょ?

海が荒れている時こそ、大きな波こそ、波に対して船が直角に向くように帆先を向けなさい。
少しでも斜めに向いてしまうと波に薙ぎ倒されてしまう。
波と正面から向き合うようにして切り込んでいきなさい。
フレンチシェフの三國さんが漁師だったお父様から教わったことだそうです。だから三国さんは若い修行時代に、この人!と思うシェフやここで!というレストランには直接玄関のドアを叩いてお願いしてこられたのだそうです。

自分もそうしてきたな・・正面きってお願いするしかない。
思いが伝わりOKをいただくことができ、実現できたのがこれまでの3つの美術館、ということです。

7月中旬、海外の美術館9館10ヶ所に向けて資料とお手紙を送りました。
これだけ作るのも大変!そして送料も高い!!
さて、どのようなお返事があるか、楽しみです。



2023年5月22日月曜日

土方巽 VS 中西夏之 みたいに?


 今回、久しぶりに引っ張り出した自分のノートみると、つくづく考えていることが今とほとんど変わっていないなぁーと苦笑する。

「水平な床から立ちあがる空間のなかに武闘はあるのだけど、踊り手が寝たり、立ったり、飛び跳ねたり、一挙一動するごとに、床面はひずんで、沈んだり盛りあがったりする。そう見える。その揺れ動く床面を徹底的な水平状態に保つこと、その点で踊り手と対立することが舞踏にかかわる自分の一つの意識だった」

そんな舞台美術、それまでにあったかしら?
オペラやバレエみたいに踊り手、役者、歌手を美しくみせる、ストーリーを盛り上げる舞台美術とは真逆です。

「絶対的に静かな水平状態を夢みるために、一方で、垂直ということをいつも頭に浮かべている」

画家だからですね。

「水平と垂直の対応、それは画家としての自分の意識のあり場所で、だから、舞踏にははじめから画家の立場で対立的に関係をもったわけです」(着陸と着水 1995年 カタログ展覧会後記より引用)

空間をかきまわす踊り手、そうはさせない中西さんの厳しい水平面。
そのバトルが舞踏を育て発展させていったのでしょう。
                 
今回の会場は中西さんのアトリエだったところでたくさんの絵画平面作品が制作されてきた空間です。すなわち、たくさんの垂直が生み出されてきたということで、その床には都度、絶対的な水平面も同時に発生していたということになります。
実験パフォーマンスではそのアトリエ空間にわたくしの立つ行為をもって垂直線を立てます。
ロックバランシングのピュアでスリリングな強い垂直線と一緒に、アトリエの床に、はたまた地球の真ん中に向かって垂線を突き刺します。

では音は? 竹田さんに聞きました。
「サラウンドのおもしろいところは場を包み込むのではなく離散的なものであること」
その場によって聴こえてくるものがちがう・ローカルな音・一点に集中させることなく、中心を中心でなくしてしまうようなもの・離散構造・・・
「そもそも音は個別的なもので聴く人によって音は変わる」

ふむふむ。
「立ちたさ」は身体の中とまわりの空間、環境に意識を向けたり感じたりしながら立っていくのですが、前回のBarnett Newman14点の連作に囲まれて立った時のように、360度、まわりのものを1本の線に集約していく行為とも言えるかもしれません。
となると、離散構造のものがそこにあるとそれが難しくなる!?!
バトルになりますね。 わくわくします。





2023年5月19日金曜日

画家・ 中西夏之の水平に立つ




 「これに寄付したから何かやったら?」竹田賢一さんからお声をかけていただきました。2021年頃だったか?

山梨県の大月市にある故・中西夏之さんのアトリエを土方巽・中西夏之メモリアル猿橋倉庫として保存、活用しようとクラウドファンディングが行われていたようです。知らなかった・・・
竹田さんはそれにご寄付をされ1回ここで公演をできる権利を得ていたようでした。
!?!?えっ!!何をやろうかしら、、、(嬉!)

https://motion-gallery.net/projects/butoh-soko/updates
https://saruhashi-soko.com

このブログで2012年に投稿していましたが、中西さんはわたくしがBarnett Newmanと並ぶ大変影響を受けた画家です。1995年に「着陸と着水」というインスタレーション(神奈川県立近代美術館)を見に行き、中西さんと舞踏とのかかわりを知ったことをきっかけに、わたくしのアートワークは絵画を尊敬しながら身体を使う活動になっていきました。
もう学生ではなかったその時期、母校の図書館、東京都現代美術館の図書室などで中西さんに関する資料を集めまくりました。購入できるものは取り寄せ、できないものはコピーをし、展覧会カタログにあった気になる文章はノートを取りながら自分なりに噛み砕いて理解しようとしていました。(古いものでは1960年代の個展やグループ展のもの)

ご本人との交流もあり、展覧会がある時は必ずDMとオープニングレセプションの招待状を送ってくださいました。展覧会会場で、人形町のカフェで、お電話で、お話は何度もしましたが、詳しくはまだあまり人には話たくない感じです。お話に難解さを感じたことはありません。
「あなたは身体を使ってやっていてすごいですね」と言われました。

「立ちたさ」公開!実験パフォーマンス

タイトル:画家 中西夏之の水平に立つ

日時:2023527日(土)OPEN14:00 SART15:00

会場:土方巽・中西夏之メモリアル猿橋倉庫 409-0622 山梨県大月市七保町下和田673-1


入場料:カンパ 1000円~ パフォーマンスは約1時間 *舞踏公演ではありません。

 

行為・立ちたさ伊宝田隆子

ロックバランシング石花石花ちとく 石花とかん

音楽竹田賢一

パフォーマンス兼盛雅幸



2022年11月21日月曜日

パフォーマンス後、さぁ報告展の準備です。

Washington, D.C. ナショナルギャラリーでのパフォーマンス、無事終わりました。

9月15日朝7時にギャラリースタッフさんやカメラマンと待ち合わせ、厳しいセキュリティと地下の大きなエレベーターを経て開館前の展示室へ。ピリリとした緊張もありましたが身体のコンディションがとにかく絶好調!あんなに早起きしたのに。

 Facebookの方へ少し投稿していましたが、報告は展覧会で!

2023年1月17日(火)〜28日(土)  12:00-19:00 

「立ちたさ_」展 2023   立ちたさ Barnett Newman と 対 峙  in Washington, D. C.

立ちたさ × The Stations of The Cross, Be II

ギャラリー:人形町ヴィジョンズ 日曜休み 入場無料

映像上映をメインに写真や資料の展示をします。

美術館とBarnett Newman Foundationへ報告と著作権使用の許諾のために、映像をまとめ、書類もたんまり作り提出。(ここまででも骨の折れる大変な作業!) 無事許諾のクレジットをいただきました。

あの展示室をまるごと持ってきたみたいに空間を体感していただけるよう、できるだけ大きく映像を映すべく調整しています。美術館資料室で見せていただいた資料も一部ピックアップし、まとめます。

どうぞ、お楽しみに☆

© 2022 Barnett Newman Foundation / ARS, NY / JASPAR, Tokyo E4980

2022年9月9日金曜日

いよいよ来週!9月12日に渡米します。

あとはパッケージのみ!というところまで準備はほぼできました。

コスチュームの調整、保険、スマホ撮影など、最終確認を残すのみ。

National Gallery へ行ったら図書館にも行って調べものをする予定ですと

スタッフEmilyさんに伝えると、”学芸室にもぜひ来て!”とのメッセージ。

Lucky !!!!  Barnett Newmanの資料を見せていただけそうです。

Newmanシリーズ前の2回、アムステルダムとバーゼルの時もそうでしたが、

美術館、図書館の人たちって、アーティストや勉強したい!という人に対してとても親切で協力的ですね。日本でも全く無名のわたくしに対してですら。。

いつも泣けます。

がんばらなくては!

それから、

今回の渡米や報告展の開催のための資金集めをしています。

マスクチェーンのお店をオープンして販売したり支援金を募ったりしています。

これまでチェーンをお買い上げ、お選別や寄付、送金をくださった方々、本当にありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。以下、お知らせです。

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1、マスクチェーン, マスクホルダーを購入
  得意な手作業を活かしてマスクチェーンのショップをOpenしました。
  全て伊宝田自身が手作りしています!こちらよりご購入いただけます↓↓

2、支援金を送る
  展覧会リーフレットと掲示物にお名前を掲載させていただきます。
  送金方法はこちらまでご連絡をください → takako_p@d3.dion.ne.jp